女性が知らない男の怠惰。

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NHK音楽祭 ドゥダメル指揮 ジョン・ウィリアムズ プログラムを鑑賞へ

3月21日(木)、東京は暖かく、風が強かった。NHKホールへの向かう途中、街角の桜に春を感じさせられました。

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今年も・・・”悲しみの花” 桜が咲いた。

NHKホールの入り口に設置されたドゥダメルジョン・ウィリアムズの写真に、胸が高鳴ります。

近付くとセンターには、ここに来るまで周知されていなかった本日のプログラムが。

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喰い入るように確認すると、作曲者の代表曲を網羅した豪華なプログラムということがわかりました。

タイミングを合わせるかのように発売された2枚組のCD、ジョン・ウィリアムズ セレブレーションと、そのままリンクしているようです。

tower.jp

 

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”力” 入ってるのがわかるホール内の装飾。

チケット半券と引き換えに配布されたプログラムに、前島秀国さんの詳しい解説がありました。この解説を読む限り、指揮者ドゥダメルが自ら選曲をしたようです。

未知との遭遇、E.T、フック、ハリーポッターに「空への憧れ」を読み取った解説に、なるほど!と思いつつ、空への憧れなら 太陽の帝国 から「大空のキャデラック」が聴きたかったな、という願望が・・・

願望はこれで納まらず、シンドラーのリスト テーマをやるなら「追憶」も聴きたかったな・・・と、思いは勝手ですね。

 

前島氏さんの解説はこう続きます~ この「空への憧れ」は、スターウォーズ、インディジョーンズ、オリンピックファンファーレなどにおいて五度音程の跳躍が用いられていることと無縁ではない。ウィリアムズの音楽は「飛びたい」「理想を実現したい」「自由になりたい」という夢を実現しているのだ。

~ここまで読み、だからウィリアムズの音は あんなに陽の響き・輝きを感じるんだなぁ…と共感、再認識。

 

私の席は3階に限りなく近い2階席の後方でした。

終始、感じていたのは「繊細でやさしい演奏」だったなということです。異国から来た人間の、あの肉体から繰り出される金管の音・本場の音は物凄いのだろう・・・とダイナミックを予想していた自分には意外な音でした。

繊細でやさしいのです。トランペットも直線的でない、丸みを帯びた音でした。スーパーマンしかり、レイダースマーチしかり。

苦もなく 軽く音を出している余裕のようなものが常に感じられたので、こちらには安心感しかありません。

1階席の皆さんにはロスフィルの音がどんな風に聴こえていたのかわかりませんが、私の席では音圧が迫ってくるような迫力たっぷりの音には聴こえませんでした。もしかしたらNHKホールの特性なのかな、とも考えたり。

終始、印象的だったのはドゥダメルの佇まいでした。ステージの袖からゆっくりと力を抜いて控えめに歩いてくる姿。TV画面で見たよりも痩せて小柄に見え、静かで控えめな印象。10秒でいいから肉声を聴きたかったな。

 

この日、一番心を奪われたのは、CDやコンサートで聴き飽きるぐらい聴いてきた「E.T 地上の冒険」この曲の中盤以降、映画だと、子供たちがE.Tにそれぞれ別れを告げるシーン。

作曲者ジョン・ウィリアムズの解釈を超えることなんてあるのかな?と思いましたが、この部分は今までに聴いたことのない「地上の冒険」でした。

涙は出ませんでしたが、たしかに心を奪われた・・・そんな瞬間でした。具体的に言えばその絶頂は動画の6分28秒からの2秒・・・この2秒の違いでここまで気持ちを持っていかれるとは思いませんでした。

表現される音やリズムの違いでここまで受ける印象が変えられるのだな…と驚いた2秒間でした。

youtu.be

 

この後、情感たっぷりにゆったりとE.Tのテーマが演奏される・・・が、とても速かった!これも解釈だとは思うのですが、ここはもっとゆったりと味あわせてほしかったなぁ…と感じました。贅沢かな・・・

アンコールの1曲目、お馴染みの曲で来るかと思いきや・・・

アダージョ・・・これがスターウォーズの曲だと何人の人が気付いたでしょう?

ドゥダメルの、何がしかの特別な思いを感じた瞬間でした。

いつか…この優しさ・繊細さで、情感たっぷりな「偶然の旅行者 愛のテーマ」を聴いてみたいと考えていました。

 

 

 

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5月5日にNHK Eテレでコンサートの模様を放送とのこと。このインタビュー映像の放送も期待したい。